日本で就職活動(就活)を始める、または既に始めている留学生の皆さん、こんにちは。
就職活動の時期、服装や髪型などの身だしなみ、持ち物など、日本では日本人の学生も戸惑うようなルールやマナーがたくさんあって、戸惑うことも多いと思います。ここでは、皆さんに日本での就活のヒントと役に立つ情報をご紹介します。
<1>日本で就職活動を始めるにあたって
新卒の学生を一括採用し、終身で雇用するのは日本ならではの制度です。経団連*加盟企業の採用スケジュールは、原則的に大学3年生の3月に説明会解禁、大学4年生の6月に面接などの選考解禁と決められています。※大学院で修士課程修了の学生は、大学院1年の3月に説明会解禁、大学院2年の6月に面接などの選考解禁
2021年春以降はこのルールを廃止すると発表されていますが、それまでは基本的にはこのタイミングで動くことになるでしょう。
選考の時期は企業によってさまざまですし、中小企業の場合は、これより遅れて動く傾向にあります。ただし、日本でもインターンシップを取り入れる企業が増えており、大学1年生や2年生から就職活動を見据えてインターンシップに参加する学生も増えています。
インターンに申し込む場合でも、どんな企業がどのようなインターンシップを実施しているのか調べたり、エントリーをする必要があります。
自己分析や準備は早めに始めるに越したことはないですよね。
*一般社団法人経済団体連合会:日本の代表的な企業1,376社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体などから構成
<2>就活時の服装 ~リクルートスーツ~
3月や4月頃、街の中や電車で、同じような黒っぽいスーツに身を包んだ若者達の集団を目にして、不思議に思った事はありませんか?
そう、彼らが着ているのが、“リクルートスーツ”と呼ばれる就職活動用のスーツです。
就活で大切なのは第一印象ですが、留学生の皆さんの中には、「自分の魅力をアピールするのに皆と同じスーツを着る必要はない。」と思う方もいるでしょう。
しかし、まず企業は、面接等に来たあなたの服装で、清潔感や自社に対する真剣さを見ます。
人柄や能力を知ってもらう前に、服装だけで、“我が社を尊重する気持ちがない”と判断されたら、悔やんでも悔やみきれないですよね。もちろん業種によっては、華やかで個性的な方が大歓迎というところもあると思いますので、自分の入りたい企業が店舗を出しているのであれば、お店をのぞいてみたり、インターネットで検索して社員の服装をチェックしたり
するのがベストです。企業はあなたが、”社風に合うか”をまず服装で見ています。
“たかがスーツ、されどスーツ”
あなたを正しく知ってもらうための入り口を閉ざされないように、就活用のスーツを用意しましょう。
“就活 リクルートスーツ”で検索すると、インターネットで情報がたくさん出てきますが、
色は“黒”か“濃紺”、サイズはきちんと自分に合わせ、中に着るワイシャツは“白”がおすすめですよ。
<3-1>就活時の身だしなみ
宮城県にも色々な国の留学生がいらっしゃいますね。髪型については髪質があるので日本人とまったく同じにする必要はありませんが、爽やかさと清潔感を意識しましょう。顔がきちんと見える(特に“目”)ように前髪を切ったり、長い髪の方は後ろで1つに束ねたりすることをお勧めします。髪型も服装と同じでどんな業種を志望するかによりますので、入りたい企業や業界をリサーチして臨みましょう。
また、せっかくリクルートスーツを着ているのに、シミが付いていたり、シワシワだと印象が悪いです。着た後もきちんとハンガーに戻して、汚れがないか確認し、なるべく綺麗な状態を保つようにしましょう。
<3-2>就活時の持ち物
筆記用具を持参するのはもちろんですが、A4サイズの書類が入る黒か茶のビジネスバッグを用意しましょう。バックパック等のカジュアルなカバンは就活にはふさわしくありません。緊張して汗をかくこともあるので、清潔なハンカチとポケットティッシュはバッグに入れておきましょう。雨の時期は、びしょ濡れで企業を訪問するようなことがないように、折り畳み傘を持参するのがベターです。企業の面接では、スマホケースや時計など、小物も見られている可能性がありますので、全体的に落ち着いた色合いの品の良い物を選びましょう。また、時間を携帯電話で確認すると、遊んでいると誤解される可能性もあるので、腕時計をした方が良いと思います。
<4>時間厳守
日本はとにかく時間に厳しい国です。電車が遅れずに”定刻”に発着するのは良いことですが、時間にうるさい日本人に対し、「そこまで正確じゃなくても・・」と思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、面接は“時間厳守”です。たとえ1分の遅刻であっても、あなたの第一印象が悪くなります。面接は、採用を決める大切な場ですから、遅刻をしないよう気をつけましょう。
ただし、早すぎるのも禁物です。その日に複数の面接があった場合、あなたが早く来すぎた事で、あなたに待ってもらう部屋を別に用意しなければならず、迷惑がかかることも考えられます。企業に到着するのは、5分前がベストと覚えておいてください。
早く着きすぎた場合は、近くのカフェ等で待つのも良いですが、その時も、相手の企業の方が偶然あなたを見ているかもしれません。誰に見られても問題がないように、座り方や振る舞いには気を付けましょう。
<5>面接
面接では、自己紹介・自己PR・志望動機を中心として質問が広がっていきます。
留学生の皆さんは、日本で色々な人達に会って自己紹介をする機会が多いでしょうから、それには慣れているかもしれませんね。しかし、就職のために自己紹介をする相手は、あなたに好意的だとは限りません。面接官は、“選考”をするためにあなたと会っているため、あなたがどんな人なのか、少し意地悪な目で見ている場合があります。笑顔を返してくれなかったり、何度も同じことを聞き返したり・・。でも、そこでひるんではいけません。緊張してパニックになりそうになったら、軽く深呼吸をして少しゆっくり話すようにしてください。
例えば、「すみません、少し緊張してしまって・・・そうですね・・私は・・」そんなふうにゆっくり話している間に気持ちが落ち着いてくるはずです。
もともと人見知りだったり、緊張してしまって、相手の目をまったく見られない方もたまにいますが、大事な言葉の時はやはり相手の目を見て自分の気持ちを伝えるようにしましょう。逆に、大切な事だからとじっと目を見て話し続け、視線をまったく外さない方もいらっしゃいます。日本人としては戸惑って居心地が悪い時もありますので、たまに視線を相手の肩のあたりにそらして、それからまた目を合わせる・・という手法も使ってみてはいかがでしょうか。
うまく話すためには、やはり練習が必要ですね。ぶっつけ本番でうまく話せる人はなかなかいないので、就活の準備の際は、少し年上の日本人の方に練習相手になってもらえたら良いのですが・・。皆さんの幸運をお祈りしています!